【ネタバレあり】無隣館若手自主企画vol.27 曽根企画『遊行権』の稽古場より②

こんにちは、木村恵美子です。曽根企画『遊行権』も無事折り返しました! なので今回はネタバレありで書いていきたいと思います。でも私が観ていない間にどんどん演出が変わるので、今書いたところが明日には無いかもしれませんがっ……! しかし、書きます!(て言うかこれ書いている今春風舎に居るんですけど早速大きな舞台美術の変更を確認しました)

色々あった曽根企画ですが、無事好評なようで良かったなあ! と思っている木村です。

さて、前回書いた堀ちゃんの扱い方についてから書いていけたらと思います。あ、前回記事はこちらになります。こっちはネタバレほとんど無く書くよう心がけております。

遅くなりましたが2019年もよろしくお願いいたします! 木村です。 一ヶ月ぶりの更新となりましたが、ここから無…

前提として。今回は『遊び』を扱った作品になっているんですけれども、「舞台上で遊ぶとはいかなることか?」を研究した結果、「舞台上で実際に遊んで」います。言い換えると、遊びのところはほぼアドリブです。(一応決まりごとはあって、セリフがあるところと遊びのところがなだらかに繋がるよう配慮はされているとのこと。) で、私個人的にこの「遊び」のぶれ方をコントロールする役割に居るのが堀ちゃんこと堀紗織さんだと思うわけです。

例えば遊んでいる序盤のあるシーン、木村トモアキさんがお題に合わせて色々なバリエーションで芝居をするシーンなのですが、そこでは堀ちゃんがお題を出しています。このお題の目安、範囲については演出がついていますが、実際に何を言うかについては堀ちゃんの裁量。そこで堀ちゃんの持つ発想力がめちゃくちゃ活きてくるわけです。彼らを知っている私からすれば、「堀ちゃんにもてあそばれるトモアキさん」の構図が現れるわけですが、堀ちゃんでなければここまでのクオリティは出ないだろうな、と思うわけです。で、こういうことが作品全体で起きている。

そもそも、劇構造として、堀ちゃんの役が率先して場を変化させていく作りになっているわけなのですが、堀ちゃんをそこに配置するのが良いよね、て気持ちです。堀ちゃんの発想力と振れ幅、またそれに対する判断力、それぞれの安定感でともすればグダグダになりかねない遊びのクオリティを担保している、と私は感じます。演出家が直接手を触れることの出来ない上演において指揮者の役割を堀ちゃんに託している。今回の4名の俳優陣を相手にこの判断は演出家として確かな判断である、と木村は思うわけです。

なんて、木村の考えていることに過ぎませんが……。あと遊び自体も、堀ちゃん発だろうなあ、というところが垣間見えます。詳しくは聞けてはないんですが、遊びのアフターイベントが曽根さんと堀ちゃん中心の実施だったことからも、きっとそうなんだろうなと思っています。

そういえば舞台美術もちょこちょこ変わっております。私の撮った写真からも変わっているところがちょこちょこあるかと思います。

変動といえば、稽古段階から見ていて、それぞれお題を出すようなシーンでもって木村トモアキさんが本番に入って急に覚醒してきたような気がします。何を掴んだんやトモアキさん……(笑)



石渡さんも、彼女のオモシロがもっとも出るのは「ナスカゲーム(見えないものを見る遊び)」のところかと思いますが、彼女のオモシロはこれどころじゃないんだよう!と言いたい気持ちにすらなります(笑)2幕冒頭とか、じっくり見てみると彼女かなり面白いことをしているので是非是非見てみていただきたいなと思う次第であります。


朝比奈さんは見た目が一番奇抜でセリフもドキッとするものが多いのに、お題を出すようなシーンでは比較的堅実なところをもってくるのがこれかえって面白いと思っております。朝比奈さんが居るからバランスがとれてる、気がします。

さて、今回最大のネタバレとしては、チケットの仕掛けと2幕かと思います。この2つは連動しています。うーむあんまりSNSとかでも言及されていないようなので、ぼんやりぼかしますが、サイコロを用いた上演自体を遊びにする試み、ですよね。そして今回、演出の変更により、「遊びに観客も巻き込む」構造となる。


1幕だけでも短いながら作品としては成立するのですが、この2幕を持ってきた、ということは、そこにこそ曽根さんの今作品の上演意義が隠れているんじゃないか、と思います。今作品の「切実な遊び」とは何か。それをより強く感じられるのがこの2幕だと私は思います。切実な遊び。私自身に置き換えて考えてみると、正直それなりに心当たりがあります。遊んでいないと、自分を保てないような気がしてくる瞬間。そして、それを通り越して、遊ぶことにすら手を伸ばせないことも人間にはある。そしてきっとその体験は、したことのある人とない人がいるということもきっと事実なんじゃないかと思う。そういう実感の無い人は「切実な遊び」を見て、「怠けている」とか思うのかもしれない。けれど、この上演を通して、「切実な遊び」の質感の片鱗を、掴んで頂けたら嬉しいな、と一観客として思います。

折り返しました! あと少し! みんな頑張れ! 応援しています!
今後の上演でもお席まだあるようですが、当日券情報などは曽根企画Twitterで御覧ください! どうぞよろしくお願いいたします!

▼曽根企画Twitter▼

**公演情報**

無隣館若手自主企画 vol.27 曽根企画
遊行権
構成・演出:曽根千智
2019年2月7日[木] – 11日[月·祝]

愚行権と名のついた権利がある。
名前の通り、他人が見て「愚かでつむじ曲がり」と思える行為であっても、他人に危害が及ばない範囲においては許される、という権利である。例えば、喫煙、飲酒、賭博、冒険、また生命を直接脅かすものには、自傷行為、治療拒否、自殺などが含まれる。
「冒険」が愚行に分類されるように、世間一般的には愚行と称される振る舞いであっても、本人たちにとっては生きていく上で必要な至極切実で真剣な行為である場合がある。その場合、それは混沌とした世界を自分に引き寄せて、関係を取り結び理解していくための手段であるのかもしれない。まるで、幼児が様々な遊びを通して自分が置かれている世界のルールを理解していくのと同じように。
子どもに戻れない大人たちの「遊ぶ権利」をめぐる実験を目撃されたい。

曽根千智  SONE Chisato
1991年、兵庫県生まれ。大阪大学在学中に受けた平田オリザの演劇の授業に衝撃を受け、演劇を観始める。大学卒業後、人材系IT企業にて研究開発職につく傍ら、2017年4月より無隣館3期演出部に所属。出演作品に『カレーと村民』(2013年、メイシアター)『よみちにひはくれない』(2018年、世界ゴールド祭)など。現在は退職し、制作、ドラマトゥルクとしても活動している。本公演が演出家として初めての劇場公演となる。

【出演】
石渡愛
木村トモアキ
堀紗織
(以上、無隣館)
朝比奈竜生

【スタッフ】
ドラマトゥルギー:朴建雄(無隣館)
舞台監督:黒澤多生(無隣館)
舞台監督補佐:ワタナベユウタ
音楽:額田大志(ヌトミック/東京塩麹)
音響プラン:櫻内憧海(無隣館/お布団)
照明プラン:井坂浩(青年団)
美術:中村真生(青年団)
衣装監修:正金彩(青年団)
制作:井上哲、神戸みなみ(無隣館)
協力:有上麻衣(青年団)

総合プロデューサー:平田オリザ
技術協力:大池容子(アゴラ企画)
制作協力:木元太郎(アゴラ企画)

【日時】
2019年2月7日[木] – 11日[月·祝]
2月
7日(木) 19:30★
8日(金) 19:30
9日(土) 14:00/19:00
10日(日)14:00★/19:00
11日(月)14:00
受付開始は開演の30分前、開場は開演の20分前
————–
★:終演後にポストパフォーマンストークあり
2月7日(木)演出 曽根千智とドラマトゥルク朴建雄
2月10日(日)無隣館トーク ー自立した演劇人として実を結ぶために
ゲストに無隣館3期の演出家3名を招きます。三者三様の若手自主企画の経験の振り返り、無隣館から自立した後の演劇人としての展望を語らいます。

【会場】
アトリエ春風舎
東京メトロ有楽町線・副都心線/西武有楽町線「小竹向原」駅 下車4番出口より徒歩4分
東京都板橋区向原2-22-17 すぺいすしょう向原B1
tel:03-3957-5099(公演期間のみ)
※公演期間以外のお問い合わせはこまばアゴラ劇場(03-3467-2743)まで。
※会場には駐車場・駐輪場がございませんので、お越しの際は公共交通機関をご利用ください。

【料金】
当日一般=2,500円
予約一般=2,000円
予約学生=1,500円(要学生証)
*日時指定・全席自由・整理番号付
*未就学児童はご入場頂けません。
*学生料金でご予約いただいた方は、当日受付にて年齢・学籍を確認できる証明書をご提示ください。

【チケット取り扱い】
青年団 03-3469-9107 (12:00 – 20:00)
オンラインチケット予約はこちらから

【お問い合わせ】
青年団 03-3469-9107 (12:00-20:00)
曽根企画 sone.kikaku@gmail.com
曽根企画Twitter https://twitter.com/sonekikaku

企画制作:青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
助成:文化庁文化芸術振興補助金 (劇場・音楽等機能強化推進事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする